






■大地に還る家
中古住宅を購入した住まい手は、日々の暮らしの潤いを求めて作庭家の福田義勝氏に依頼、庭が命脈を吹き返す頃にはやはり家を建て替えねばと思い至ったという。
建築と庭は相思相愛の関係でありたい。この住宅は竹ではなく年輪密実な松材による小舞下地、地元の古土を貰い受けて混ぜ込んだ土壁、いわば大地に還る家である。
(岡山県倉敷市 2005)
■風の谷の英国風庭園のある家
吉井川河畔から吹き下ろす風の通り道に建っているこの住宅には衒いも気取りもなく実に素直なプランと素直な形をしている。
4間×5間の総2階=40坪
もっともコストパフォーマンスのよい形状・形態である。
片づけが苦手とおっしゃったにも関わらずいつ伺ってもインテリアショップと見まがうくらいの美しさと節度ある装飾がなされている。
隠す収納を徹底的に研究、廊下全体が実はクローゼットと物入れになっている、その効果だと設計者はひそかに達成感に浸っている。
(岡山県和気郡 2007)
■白と黒の家
さきの大地に還るから歩いて3分のところに建つこの住宅は二世帯住宅に建て替えたもの。住まい手同志は親の代からの付き合い。二世帯住宅の成否は世帯間の距離をどう取るかにかかっている。
玄関がふたつ、それも並べてではなく平入りと妻入り、そして親世帯の玄関の真上に子世帯の楽しみの小部屋を配している。
(岡山県倉敷市 2006)
■風薫る陽だまりの家
「風通しと陽あたりの良い家を」との住まい手の希望に応えるべく、開口部の開け方を吟味検討。床を這う風の道に寝れば涼しいが、開放して就寝できるような施錠方法が必要だ。予備室を設けるために一部2階建とした。この部屋が孤立せぬよう居間を天井高4.0mの吹き抜けとし、2階の予備室と水平窓で繋がるように計画している。
(岡山県岡山市 2008)
■6層の床を持つ家
誰が見ても2階建に見えるこの家は実は6層の床の高さを持っている。
半地下-1階-1.5階-2階-2.5階-3階=ロフトの計6層 キッチンに立てば居間も子どもの勉強スペースもすべてお見通しの家である。けれども吊り構造になっている2.5階の書斎だけは見えない。
(岡山県岡山市 2007)
■露地庭のある家
都会では間口8mあれば万々歳だが、そういう敷地に本普請の家となると難易度は高い。
蔵風の外観とし、南面居室の広く取るために玄関までは露地庭風に計画した。棟梁の凝り性と住まい手のコダワリが合致・共鳴して、当初の図面にはなかった玄関庇が出来上がってしまった。こうなったら寿司屋のノレンを掛けるしかないと住まい手が言う。(岡山県岡山市 2009)
■中庭のある家
南面を開放して採光を確保したいのが人情だが、計画地は南面に高架道路があった。
併用住宅という与条件を活かし、事務所棟をフロントに配しコの字型の平面計画とした。中庭は南北が3.5間 東西が3間 この寸法であれば、北棟の居室へも十分な採光が得られ、居間・食事室は開放してもプライバシーを保つことができる。
(岡山県岡山市 2002)
■仲良く暮らす家
ふたりだけで静かに暮らすための小体な住宅。玄関を入ったところに坪庭を設けた。
この庭は浴室の窓からもキッチンからも眺めることができるが外部からはまったく見えない。蒐集した宝物を飾るための小さなニッチたち、これらを眺めれば明日も働く活力が湧くとのこと。共同書斎は2Fホールに設けたもの、長いカウンターデスクの後ろにそれぞれの寝室へのドアがある。
(岡山県瀬戸内市 2006)